CSR的広告屋のつぶやき「Vol.21 CSR×社会的課題解決型ブランディング」

【オリジナリティ】

 さて、今回で21回目の記事となりました。もう直き、寄稿するようになってから一年になりますね。時が過ぎるのは早いものです。そんな前置きはさておき、今回は「社会的課題解決型ブランディング」について少し考察を深めて行きます。

 「社会的課題解決型ブランディング」。たいそうなタイトルですが、ブランディングの方法論というか手段として、社会的課題解決、つまり、コーズを中心に考え、実践しようという試み。もちろん、それは壮大で簡単には成立しないことだと思います。

 多くの企業はCSR活動を自社の差別化、ブランド価値向上の手段と捉えている。僕は、それ自体は悪い事ではないと考えます。どのように考えようが、それで誰かのためになり、社会がより良い方向に進むのであれば、否定すべきではないと。ただ、本気でそう考えるなら、自社の思う形で自己改革に本気で取り組むべきだと思う。結局、“他社”や“慣習”を気にしていては、オリジナリティの派生するブランディングにはならない。むしろ、今のご時世、逆に同質化を招くのではなかと。ブランディング構築には、継続的な試みが必要だし、サポートする側としては、場合によっては、時間のかかる歩合の悪い仕事です。予算なり、想いがないと成り立ちません。特にコーズを中心に考えるのであれば、5年、10年、30年と超長期の覚悟が必要です。社会問題なんてそんな簡単に解決しませんから。

 震災で何か役に立ちたい多くの社員のニーズに応えたいという企業経営者、担当者の方も多いと聞きます。忙しくても継続してできて、なおかつ、スキルが活かせる取り組み。ここでは“継続”、“スキルが活かせる”が重要ですね。そんな、独自の取り組みもCSRアクションの一つだと思います。

 マイケルポーター氏はCSVの論文の中で、「企業は進化したCSRの中で、ソーシャルビジネスに取り組みなさい」という趣旨の発言をしています。僕が思うに、ソーシャルビジネス(社会的課題をビジネスで解決する方法)が、「社会的課題解決型ブランディング」に通じるのかなと。自社にも、社会にも利益がもたらされるのであって、コーズを中心にビジネスを展開できるのであれば、「社会的課題解決型ブランディング」になりますよね。継続もできるし、自社リソースも活かせる。

【具体的な方法論とは?】

 では具体的にどうしたらいいか。机上の空論にしないためにも、大企業も中小零細企業もできる、「社会的課題解決型ブランディング」、CSRブランディングのためのブランド構築のメソッドのご紹介いたします。皆様のCSRブランディングにおいて非常に重要な示唆になると思います。アメリカの大手広告会社オグルヴィ・アンド・メイザーのメソッドです。メソッドにしてしまう所は、アメリカの広告会社らしいのかもしれません。

■「ブランド×××は、もしも○○○ならば、世の中がもっと良くなると信じている」
このフレーズに自社の想いをあてはめるだけ。社会において、自分たちが果たすべき役割は何か、自分たちができると信じることが重要なのです。例で言えば、「オグルヴィは、私たちがブランド、企業や人間から本来の偉大さをひきだすことができれば、世の中はもっと良くなると信じている」という形になるそうです。

■ポジショニングの検討
たどり着くまでの過程では、競合他社の分析も行う。しかし、それはあくまで他社との比較からではなく、自分たちを見つめ直し自分たちが信じていることから導き出されるもの。僕が何時も言っている、「宝探し」をしましょう、ということですね。

■「文化的テンション」と「ブランドの理想像」の構築
文化的テンションとは、消費者のニーズをはるかに超越した、ブランドが取り組むべき社会課題のこと。ブランドの理想像とは、その課題の解決に対し、ブランドがどう貢献できるかのビジョン・ミッションのこと。

 実は、(3)の過程が一番重要で、このメソッドにおける、一番の要なのです。僕なりにアレンジしたのはもっとCSRよりな思考過程が入りますけど。また(3)の過程において、NPO/NGOとのコラボの枠組みも出てきますね。NPO関係者の皆さんは、ただ「CSRですっ!」って、企画書送りつけるだけでなく、企業側に一度立って、ブランド強化のために、一緒にアクションしましょうというほうがいいかもしれませんね。NPOの「御社のCSRのために、ウチのプログラムを導入して下さい!」に、聞き飽きている企業担当者も多いと思いますが、ブランドを語るNPOが日本で出てきたら要注意です。耳を傾けて損はないと思います。

筆者:ソーシャル・コミュニケーション・デザイナー 安藤光展(@Mitsunobu3)