CSR的広告屋のつぶやき「Vol.19 CSR×災害時の広告」
【とある電力会社の話し】
今回は、色々と話題の「東京電力」という企業の広告的側面を観察してみることにします。一つ断っておきますが、非難したいわけではなく、客観的に見た時に、ということなので、かんしゃくを起こさず読み進めてください。
東京電力にはグループ企業があります。その中に広告関連会社もあります。東京電力のリソースを使った広告から、食料品の販売、住宅事業まで行う企業。事業領域は幅広いようです。東京電力の広告をすべて請け負うハウス・エージェンシーというわけではないようですが、グループ企業に広告関連会社がありながら、今回の大震災におけるお詫びTVCMのクオリティが…という非難もあったらしい。お詫び広告、Webサイトのコンテンツ閉鎖に対しての非難も多数あった。TVCMは継続せず、実放映は1週間程度で終了。「CSRアクションの重要なポイントは“継続”だ!」という人がいるくらい、継続し、コミュニケーション構築をすべきなのに、この状態は好ましいとは言えません。もちろん、通常の「でんこちゃん」というキャラクターが登場する、省エネを呼びかけるTVCMも流れていないようです。情報発信で一番やってはいけない、「臭いものには蓋をしろ」的アクションだった感じは否めません。CSRには説明責任という重要な考え方もあるのです。
今まで年間200億円以上(販促費・関連費用を含めると1,000億円以上にもなるとか)の広告費を使っていたという話しも。仮に本当だとしたら、今後200億円の多くはどこに振り分けられるのでしょうか。1人の電気利用者としても気になります。ちなみに、今まであった、WebサイトのTVCMライブラリーは閉鎖中。動画共有サイトにある程度でしょうか。「エーシー♪」で有名な公共広告CMのとりまとめをする、ACジャパン(旧:公共広告機構)にも東京電力は加盟しています。しかも、重要なポジションにいるとか。
東京電力は上場企業。その影響力は半端なものではないという、大企業の部類に入ります。2009年のCSRイメージランキング(ジェイブロード調べ)では、強豪を抑え第4位だった企業です。もったいない。ソーシャル・コミュニケーションとは何か。そこに正義は存在するのか。非常に考えさせられた出来事でした。
【キレイにしましょう】
僕みたいな影響力の小さい人間でも、実名を出してこういう記事を書くと、“キレイにされる”のかもしれませんね。つまり、つぶされるというか、干されるというか。でも、よく考えると、本稿における程度の情報なら、Webですべて手に入る情報レベルです。誰でも時間があれば調べられます。誰かを叩いて終る、という以上の情報量になっています。
僕はすべての広告において誰かを非難するつもりはないです。これまで、東京電力の影響の大きさから、メディアは保身に走って来た。影響がここまで広がるとは思わなかった、3月中旬は各種メディアも東電批判はしていなかった。これから各メディアがどのような報道をするか注目です。マスコミと東京電力の関係。僕はそのあたりはよく知りませんが、色々な企業・団体の利権・保身から情報が混乱したのは事実です。良くも悪くも、結局は“それらの広告”という事例から学び、考え、行動するしかないのです。非難ばかりでは、何も解決しません。
ソーシャル・コミュニケーションとは何か。そこに正義はあるのか。東京電力には最大限努力していただき、まずは事態の収拾に努めていただきたいです。それが社会的役割であるのです。そして、我々は、災害時における広告とは何か。災害時におけるCSRとは何かを今一度考えるべきだと思うのです。
筆者:ソーシャル・コミュニケーション・デザイナー 安藤光展(@Mitsunobu3)
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