CSRの本質とは… - 停滞するマインド -
【心理状況の回復】
震災後2ヶ月が過ぎました。原発事故や政局もあり、なんだかすっきりしない状態が長期化していくのでしょう。
ただ、経済活動としては、環境面、心理面から消費活動に 変化があるにしろ失業率が数倍になるとか、そういった極端な労働環境の変化、悪化まではつながらないようです。(あくまでマクロからみてですけど)
マズローの欲求段階説によると、生理的欲求>安全>社会性>尊重>自己実現とより高次の欲求へと段階的に移行するものとされていますが、原発問題が残っているにしろ、震災にあった地域の方々以外については、それぞれの割合で欲求を満たせるようになってきているのではないでしょうか。
心理面での消費ブレーキは、主に収入面でしょう。これも、公務員の減給や、工場などの操業時間短縮などによって、収入が減少する人が幅広く発生するようですが、それとて、そこまで大きな消費マインドの低下にはつながらないような気がします。
確かに復興税、消費税、電気料金値上げ等など、生活コストアップ要因は多々あるため、GDPを引き下げたりはするのでしょうが、生活が一遍するような変化はおきにくいでしょう。消費マインド(感覚的に)は元の低い「普通」の状態に戻った、といえると思います。いい意味ではないですが。
実際にはマズロー説のように、段階的に他欲求に固執していくようなことはなく、もっと多岐にわたっているだろうし、低次の欲求がなくなることもないと思います。
しかし、欲求が多元的であるにしろ、段階的であるにしろ、それぞれの比率で欲求を満たすのが人であると思います。閉塞感というか、マインドの低下といわれる状況は、より高次の欲求を求めないこと、もしくは求められないことにあると考えられます。
・4割に達する非正規労働者とワーキングプア問題
・シニアでの失職/再就職困難者
この課題は震災とは関係なく、今後もさらに悪化、増大していくことは目に見えています。
【震災を契機に変われるか】
震災を契機に、資金面、法整備等が進み、新しい枠組みが作られるようになるかもしれませんが、すでに政府高官や自治体などは、「民間の力/行動に期待する」といっています。
まあ、役人は税金の配分を決めるのが仕事なんでしょうが…まあ、お国がやってうまく廻った物って、なんだったのかなーと考えると、そうなりますか。でも、これを 契機にいくつかの問題を解決できる可能性もあります。
そもそも、非正規労働、ワーキングプア、シニア再就職などは、国の政策、大企業の論理、国際競争など複雑な問題が絡んでいますが、根は同じでしょう。
非正規雇用の問題点、これだけをとってみれば、特に問題はありません。同一労働、同一賃金であればです。
しかし、歴史的に低賃金の労働力が必須な時代があり、低賃金の労働力=非正規雇用という図式になったのですね。EUでも確かに非正規雇用者の給与は低いですが、それでも、フルタイムの70-80%程度です。
日本ではなんと、50%…..。これは搾取ですかね…..。非正規雇用=アマチュアという定義にしておかないと、利益が出ない社会構造、どうなんでしょう…。もちろん、臨時雇用という建前なので、教育なんてあるかどうか…だれも確認してません。
非正規雇用者とは、社内的なジェネラリストとなる教育を受けないものという考え方らしいので。翻訳家、弁護士、税理士など、特殊な業務ではなくとも、プロワーカーはいるはずです。
本来ならそういう人材をうまく活用することで生産性をあげることが企業の社会的責任なのではないでしょうか。非正規雇用者を減らすことが必要なのではなく、正当な扱いをしていることをアピールできることが必要でしょう。
一時期、非正規雇用者を正社員登用した会社も多々ありましたが、どちらかというと、臭い物にふたをした感じが拭えません。マネージャとなるもの、スペシャリストとなるもの、プロワーカーとなるもの、色々な道があってよいはずなので。
以前も、企業のCSR報告には雇用関連がなく、環境など表面的な物ばかりと指摘させていただきました。当然ながら、非正規労働者についてなど一切ありません。
如何に多様な雇用者を雇いつつ、社会貢献しているかを、(それが競争力になっているか)定量的に示させるムーブメントが欲しい……。
今回の震災復興には10年以上の月日が掛かるでしょう。また、多数の仕事が地元を中心とした企業に発注されると思います。
しかし、すべて地元でとは不可能でしょう。技術的にも。このとき、発注する会社に、雇用面の定量的な報告書を提出させWebで公開してはどうでしょうか。当然、被災者向けの転職活動などが目立つようにはなってきていますが、それでは根本的な問題解決にはなりません。
これを契機に、国や自治体が発注する入札案件には雇用CSR(非正規含む)ともいうべき報告書の提出を必須にするのです。しかも、公開するすべての人に。そうすれば、 非正規で働いたとして も搾取はされないでしょう。
そんなことをすれば、今のご時世、ネットで炎上でしょう。非正規、正規とも業務単位での報酬や内容などを定量的にはかれる”数値”で提出すること、これにつきるんだと思います。
アンケートでは決して実態は想像しかできませんが、細かく数値化され公開されれば、検証が可能です。もし、多様な選択肢を提供し、それがうまく機能している会社なら、当然応募は殺到するでしょう。
そのとき、ソーシャルメディアは強力なツールとなるんでしょう。もうなってますが……。従来の転職活動、レジメだけではいい職を探せなくなります。如何に人のネットワークを使って売り込めるか、これがプロワーカーとなる前提でしょう。
筆者:慶長久和 (㈱日本シニア総合研究所 代表取締役社長
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